インコの飼育に保温は必須!保温アイテムや保温方法を詳しく解説
インコは、体が丈夫だと耳にしたことのある方は少なくないでしょう。
そのため、寒暖差にも強く保温は必要ないと、何の準備もしないままお迎えしてしまう方を多く目の当たりにしてきました。
しかし、主に熱帯地方で生活しているインコは、寒さを苦手とします。
そのため、冬場は保温をしっかりしないと、命を落としてしまうことも珍しくありません。
インコを飼うのに、保温は必須です。
保温アイテムを常備して、常に適温を維持できるようにしましょう。
この記事を読むと、インコの保温に必要なアイテムや適温などを知ることができます
インコの体温調節のメカニズム
インコの保温方法を知るためには、普段インコがどのように体温調節をしているのかを把握することが大切です。
また、鳥は体の中に「気嚢(きのう)」と呼ばれる空気の袋をいくつか持っています。気嚢は、呼吸を助けるのはもちろんのこと、体内の熱処理の機能もあります。体内にこもってしまった熱を呼吸で体の外に排出しているので、暑いときは呼吸が荒くなるのです。
この気嚢の役割は効率的な保温にも役立ちます。暖かい空気を吸い込めば気嚢が温まり、気嚢に包まれている内臓が温められます。つまり、鳥の体を温めるには、鳥がいる部屋の空気を温めなければ意味がないということです。
引用:小鳥動物病院アニマルウェルネスセンター
インコは、暖かい空気を吸い込むことで保温をしています。
このことから、ケージや部屋の一部、表面だけを温めても意味がなく、インコがいる部屋全体を暖める必要があることが分かります。
人間は電気毛布とか、暖かいものに触れることでも暖をとれますが、インコは暖をとることができません。
インコが寒いとき、くちばしを背中の羽毛に入れてるのは、その上にある鼻から暖かい空気を吸うためなんだね!
インコの保温は保温電球とサーモスタットの併用がベスト
写真:はる宅
インコは寒さに弱く、冬場の保温は成鳥であっても必須です。
ただし、健康な成鳥の場合は過度な保温は必要ありません。インコは自律神経で体温調節をするのですが、常に一定の温度下で生活していると、自律神経の機能が弱まり寒暖差に適応することができなくなってしまいます。
成鳥の場合は、ある程度暑さ寒さを感じることのできる環境も必要です。
インコの適温は、主に以下の通りです。
インコの適温は何度?
- 成鳥:17~28度(過度な保温はしない)
- 幼鳥:約30度
- 老鳥:28~30度
- 病鳥:28~30度
インコの保温は、空気を上記の温度に保つ必要があります。
インコの保温アイテムとしておすすめしたいのが、保温電球とサーモスタットの併用です。
ここでは、保温電球とサーモスタットについて分かりやすく紹介します。
保温電球とは
保温電球とは、インコなどの鳥類や小動物用に作られたペットヒーターで、以下のような特徴があります。
・赤外線を放射してペットのカラダをじんわり暖める電球型ヒーターです。
引用元:マルカン
・わずかな光しか出さないのでペットの睡眠を妨げません。
・保温球の表面には特殊コーティングが施されており、割れにくく、破損時の飛散を防ぎます。
通称ひよこ電球と呼ばれる保温電球は、人間に使われるコタツと似ており、赤外線を放射して空気を温めることができます。
ケージ内のみを温めることができるため、エアコンよりコスパが良いことも特徴です。
マルカンの保温電球には、20W、40W、60W、100Wのバリエーションがあります。
通常は40Wで保温が可能ですが、地域や温める範囲によって、適温を維持できる電球を選びましょう。
カバー付きと電球のみが販売されていますが、はじめて買う方は保温カバー付きの購入をおすすめします。
我が家では40Wを長年愛用しています。ケージはホーエイ35手乗りを使用していますが、40Wで適温を維持することができます。
40Wの保温カバー付きを買えば、20Wの電球も使えるから便利だよ!
サーモスタットとは
サーモスタットは、保温電球を設定した温度に保つことのできる便利なアイテムです。
保温電球とは、ACアダプタを繋ぐだけで簡単に連携できます。
ダイヤルを回して希望の温度に設定しておくと、内蔵された温度計により高温になると自動で電源オフ、低温になると自動で電源オンにしてくれます。
保温電球はつけっぱなしにすると、高温になりすぎてしまうことがあります。
保温電球とサーモスタットは、併用するのがベストです!
サーモスタット使えば、外出時や夜間はもちろん、朝晩の寒暖差も安心です。
保温電球での火傷を予防する工夫
写真:はる宅
保温電球は、カバーを付けても表面が熱くなります。
そのため、火傷をしてしまう事故も報告されています。
保温電球は環境や用途によって外付け、中付けを工夫しましょう。火傷などのケガを予防するためには、外付けにするのが無難です。
保温電球で火傷をさせないためには、保温電球をケージの外側に取り付けたり、カバーを囲って直に触れないようにするなどの対策方法がおすすめです。
ここでは、実際に保温電球の火傷対策を紹介します。
こちらは、保温電球をケージの外側に設置し囲いを作ることで、夜にカバーをかけても直に保温電球が触れないため、火災の予防にも繋がります。
こちらは、ケージの内側に保温電球を設置していますが、保温電球に囲いをつくり、インコが直に触れないよう工夫されています。
火傷防止に使われているのは、100均で販売されているカゴと結束バンドです。
簡単に材料が入手できるほか、コスパも良い対策方法です。
みんないろんな方法で、大切な家族の安全を守っているんだね!
火傷対策には、火災にならないような素材を選んでくださいね。
ビニールカバーや段ボール、断熱材などでケージを囲うと、より保温性を高める効果が期待できます。
使い捨てカイロの使用は基本NG
インコを連れての外出時に、使い捨てカイロを保温アイテムとして使用している方もいるのではないでしょうか。
しかし、インコの保温に使い捨てカイロの使用は危険です。
使い捨てカイロが危険な理由
- 酸欠になる恐れがある
- 火傷の危険性がある
- インコへの保温効果はあまり期待できない
使い捨てカイロは、周りの酸素を消費して熱を発します。
冬場は、なるべく密閉性を高めて移動することが多いと思います。
密閉性の高い環境でカイロを使用すると、インコが酸欠に陥る恐れがあります。
また、使い捨てカイロの温度は最高で60~70度近くになるため、直に貼ったりケージの内側で使用すると、火傷の危険性が高まります。
ほかにも、インコは暖かい空気を吸い込むことで体温を調節しています。
使い捨てカイロは空気を温めることに適していないため、インコに対する十分な保温効果は期待できません。
インコを移動する際の保温は、なるべく車を使うことや、湯たんぽ、毛布でくるむなど、安全な対策をしましょう。
インコの飼育に保温は必須まとめ
- インコは暖かい空気を吸い込むことで体温調節をする
- インコの保温は成鳥であっても必須
- おすすめの保温アイテムは保温電球とサーモスタット
- 使い捨てカイロは使わない
インコは暖かい空気を吸い込むことで、寒さから身を守っています。
成鳥であっても、冬場は保温が必須です。
インコの保温には、保温電球とサーモスタットの併用がおすすめです。
また、使い捨てカイロの使用は、極力控え、災害時などどうしても使用する際は、酸欠や火傷に注意しましょう。
写真提供:とんじるさん、サルボボハハさん