ベタはコップで飼えるは間違い?!初心者向け飼い方紹介
夏になると、涼を求めてアクアリウムをはじめてみたくなるかたも多いのではないでしょうか。しかし、本格的なアクアリウムとなると飼育用品や水槽を置くスペースの確保など、何かと手間がかかります。そこで、デスクの上など小スペースで飼える、コップや瓶などインテリアとしてもおしゃれ、生体が美しいのがベタです。ベタは小さな容器に入って展示されていることが多く、これなら自分でも飼えるかも!と思いますよね。しかし、そう思ってお迎えした方の多くは、おそらくせっかくのベタを星にしてしまっているのではないでしょうか。
私もこの夏、ベタをお迎えしました。昔飼育していたことはあったのですが、今回ベタの飼い方について失敗を踏まえたくさん勉強することがあったので、インコではないけれど記事にしたいと思います。
この記事は初心者向けで、私も専門分野ではありません。そのため、ベタをショーや繁殖させたい、本格的なアクアリウムをしたいという方には情報不足だと思います。あくまでも個人がベタを最低限元気に生活できるための飼い方の紹介とさせていただきます。
ベタはコップや瓶で飼えるは間違い
ベタは小さなコップや瓶でも飼えるという話しを耳にしますし、実際小さな容器に入って販売されていることも珍しくありません。省スペースで飼えるなら、デスクの上の癒しにもなると、購入しました。しかし、あまりにも小さな容器ではかわいそうなので、5Lのガラス水槽に入れて飼育を始めました。はじめは元気だったベタは、数日で食欲がなくなり、ヒレも閉じて体を縦にして泳がなくなりました。なにか病気だろうか、このまま星になってしまいそうだと急いでベタの飼育情報を集めていると、「コップや瓶で飼育するのは初心者が失敗しがちなあるあるだ」という文章が・・・。
魚には1匹につき必要な水の量が決まっています。ベタの場合は、1匹につき最低10L必要です。え、10Lって普通の水槽じゃん!と思ったのですが、急いでホームセンターで水槽を用意。そして、ヒーターもぶくぶくもいらないような記載があったのでそのままにしていましたが、水槽がとにかく臭い・・・。それは水流もろ過もしなければ当然だということ。
急いでもろもろ準備をしてベタの環境を整えたところ、奇跡の復活!!今はとても元気に生活しています。ここからは、私も知りたかったベタ飼育初心者に多いであろう質問に答えていきます。
ベタの飼育Q&A
写真は我が家のベタ。ショーベタのクラウンテール、通称べっちゃんです。青とオレンジカラーに一目ぼれ!この子はリーズナブルなお値段ですが、高い子になると1万以上します。
ベタは今品種改良が盛んに行われているため、新種や珍しいかけ合わせも多くコレクターも多いことが特徴です。
Q1ベタにぶくぶく(酸素)は必要?
A.ぶくぶくは必要ありません。
ベタはラビリンス器官という独自の器官をもっていて、空気から直接呼吸をすることができます。そのため、水面に上がって酸素を吸うことができるのです。もちろんエラ呼吸もできます。
Q2水換えの頻度はどのくらい?
A.飼育環境による
ベタは水流のない場所に生息しているため、早い水流を好みません。そのため、水を循環させる機械は必要ありません。しかし、水の流れがないということは当然水の汚れも早くなります。その場合は、毎日3分の1から全ての水の交換が必要になります。水質が悪くなれば当然ベタの体調も崩れてしまいます。
我が家の場合は、ロカボーイというろ過材とぶくぶく(エアレージ)が一緒になったものを使用しています。ロカボーイはそのまま使うと水流が強すぎるので、メダカの稚魚などに使用する別売の水流を弱めるパーツを設置しています(詳細はグッズ紹介をご覧ください。)。この環境の場合、1日おきに3分の1水換え、1週間に1度全て水交換しています。これでキレイな環境を保つことができています。
Q3水草や敷材は必要?
A.どちらでもよいが使用する場合は注意点もある
水草や敷材はどちらでも構いません。ただ、ベタは体を休める場所があると良いので、水草や流木などを入れてあげると喜びます。注意点としては、敷材、水草、その他オブジェなどどれに関しても、先が尖っていない柔らかいものを使用することです。先が尖っているとベタの美しいヒレに傷がついてしまううことがあるからです。
Q4ほかの魚と一緒に飼える?
A.基本的に1匹飼育
10L以上の水槽にベタ1匹だと、なんとなく水槽が寂しい気がします。ほかの魚と混泳させたいところですが、ベタは縄張り意識が高く、基本的にほかの魚やエビなどと混泳はできません。ほかの魚に餌をとられてしまったり、水流が合わない、ベタの捕食対象になってしまう、いじめる、いじめられるなどとにかく混泳ではトラブルのリスクが高い種類です。メス同士では相性によって混泳できる場合があるそうです。オスメスの場合は、繁殖のときだけ一緒にして、あとは別々の容器で飼育をします。
ベタの飼育に最低限必要なグッズ紹介
ここでは、実際に私が使っている飼育用品を参考に紹介します。
①10L以上の水槽
ベタの飼育の基本となる水槽は、10L以上の水が入るものを用意します。コップや瓶では数日で弱ってしまいます。ヒーターも必要になるので、ガラスの水槽がおすすめです。
②ろ過材(飼育用途に合わせて)
毎日水替えができない場合は、ろ過材の使用をおすすめします。また、強い水流が苦手ですので、メダカの稚魚用など、水流の弱いものを用意してください。
③カルキ抜き
どの魚に対してもカルキ抜きは必須アイテムです。カルキ抜きは、ベタ用のものを使用すると初心者でも安心です。
④エサ
ベタのエサは、専用のフードを1日2回、1回5粒ほど与えます。
⑤温度計
ベタはれっきとした熱帯魚なので、温度計は必須です。ベタの適温は26~28度なので、季節に応じて温度管理は徹底しましょう。
⑥ヒーター・冷却装置
ベタの適温は26~28度です、冬場はもちろんですが夏場でもエアコンの関係で意外と温度が下がりがちです。今は26度サーモスタット内蔵のヒーターが販売されているので、1年を通して入れておくと安心です。ヒーターは、そのままだとベタが体を休めようと挟まって火傷をする事故があるようです。事故を防ぐためにも、カバーのあるものを選ぶようにしましょう。また、エアコンを使用していない真夏の部屋では、温度が高すぎてしまうことがあるため、その場合は冷却器具を使用して適温を保ちましょう。
⑦水草・敷材(お好みで)
水草や敷材はお好みで使用してください。入れる場合は先が尖っていないものを選ぶようにしましょう。また、ベタはなにかに体を預けて休む姿も愛らしい特徴です。ベタが休むために設計された人口の水草も販売されています。私も使用していますが、結構体を乗せて休んでいますよ。
ベタもれっきとした熱帯魚だということを意識して飼育しよう
ベタはあまり泳いでいるイメージがないので、コップや瓶で飼えると思われがちです。しかし、実際は普通のアクアリウムのように水槽セットが必要になります。水槽に入れて分かったのは、ベタは結構活発に泳ぐということです。コップや瓶ではとてもストレスだと思います。もちろん、ストレスの前に弱ってしまうのですが・・・。夏になるとホームセンターなどでも身近に見かける美しい熱帯魚のベタ。間違った飼い方をして星にしないためにも、是非この記事が参考になれば幸いです。