インコをお迎えしたら必ず健康診断に連れて行こう!理由や病院の選び方紹介
インコをお迎えしたら、なるべく早く動物病院で検診を受けることをおすすめします。特にヒナの場合は免疫力が低いため注意が必要です。この記事では、なぜ検診に連れていく必要があるのかや、動物病院の選び方などを、自身の体験談を踏まえ紹介します。
お迎え後、早めに検診が必要な理由とは
お迎えした小鳥は、感染症などの疾患を所持している可能性があります。例えペットショップなどで発症していなくても、環境の変化などによってお迎え後に症状が現れるケースも珍しくありません。特にヒナの場合は免疫力が低いため、発症のリスクが成鳥より高まります。
まだ発症していなかったり、初期症状であれば投薬治療などで治る病気もありますが、症状がひどくなってから動物病院を受診しても、手遅れになる場合があるため、症状がなくても動物病院で検査を受けると安心です。
ここからは、お迎えした小鳥に多く見られる疾患を紹介します。
メガバクテリア症
メガバクテリア症は、真菌による感染症です。感染している親鳥やほかの鳥の糞便中に排泄されたメガバクテリアを経口摂取することによって感染します。主に免疫力の低いヒナに多く見られます。メガバクテリアは早期発見で治療が可能ですが、進行すると慢性胃炎や胃潰瘍に発展することもあります。
メガバクテリア症の症状は、嘔吐、食欲不振、全粒便、軟便、下痢、黒色便などです。診断は顕微鏡による便検査で検出します。メガバクテリア症に感染していた場合は、内服投与を行います。短期間では再発率が高いため、投薬期間が長くなることが一般的です。
トリコモナス症
トリコモナス症は、鳥のそのうに寄生する寄生虫の一種です。感染している親鳥からの給餌や、感染している鳥がいる中での集団給餌(エサや器具などの使いまわし)、などでほかの鳥へ感染します。トリコモナスを所持している鳥は多いのですが、成鳥で発症するケースは少ない一方で、免疫力の低いヒナに多く見られます。
トリコモナスの症状は、口腔粘液増加、吐出、食欲不振、皮下膿瘍形成などです。診断はそのう液検査や便検査の鏡検にて検出します。トリコモナスがいた場合は、駆除薬の経口投与をはじめ、症状によって抗生物質などを投与します。
トリコモナスは初期症状では元気や食欲、便の状態に異常が見られないケースもあり、よく観察をしないと見落としてしまいがちです。症状が進行すると命に係わる場合があるため、元気であっても検診を受けましょう。
そのう炎
そのう炎とは、鳥の持つ「そのう」が、何らかの原因で炎症を起こしている状態です。原因は、そのうにいる潜在菌(細菌や真菌)が環境の変化などで免疫力が低下した際に異常繁殖したり、人間の食べ物を食べることなどで発症します。
そのう炎の症状は、嘔吐、口・鼻・眼などの汚れ、開口呼吸、食欲不振、下痢、体重減少、特有の悪臭がするなどです。診断はそのう液検査による鏡検で検出します。そのう炎と診断された場合は、症状や細菌、真菌などの原因に応じた内服薬などで治療をします。
小鳥を観ることのできる動物病院を探そう
インコの健康診断は、小鳥を専門に診れる動物病院や獣医師のいる病院を受診しましょう。動物病院でも、小鳥を観ることのできる動物病院は限られています。また、小鳥の診察ができても、検査まではできない(触診のみ)場合もあるため、電話などで事前にどこまで検査ができるのかを確認しておきましょう。
最低でも以下の検査ができる病院がおすすめ!
インコの検診では、以下の項目は最低限できる病院がおすすめです。
- 触診
- 便検査(直接・染色)
- そのう液検査
- レントゲン検査
触診とは、体の状態を目視や触って診断する方法です。見た目に異常がないかを判断します。便検査やそのう液検査では、細菌や真菌などの有無を診断することができます。病院によっては便検査は直接法のみ対応している場合がありますが、より詳しく診ることのできる染色検査もできると安心です。また、そのう液検査もインコにとっては重要な検査ですが、細いチューブを口からそのうまで入れるため、鳥を診れる病院であってもできない場合があるので、事前に確認をすると良いでしょう。
また、検査の結果病気が見つかった際、治療のできる薬剤などを常備していない動物病院もあります。その場合は、セカンドオピニオンとして専門病院を受診しましょう。
専門病院ではこんな検査もできます!
- 血液検査(生化学検査・血球検査など)
- 眼の検査
- 造影検査
- 遺伝子検査
- 尿検査
- 超音波検査
- 薬剤感受性検査
など
小鳥を専門に扱っている動物病院などでは、更に精密な検査を受けることができます。体が小さなインコへの検査はリスクが高いため、獣医師も経験と技術が不可欠です。詳しい検査ができることは、それだけ病気の発見や治療が可能になるということです。
数は少ないのですが、鳥を専門に扱っている病院もあります。都会にしかないため、地方に住んでいる方は受診しにくいのが欠点です。私の住んでいる県には、小鳥の専門病院はありません。また、上記のような詳しい検査ができる病院もありません。唯一最低限の検査ができる獣医師がいる病院を受診しますが、毎日出勤しているわけではないので、緊急時の対応ができないこともあります。
遠方に足を運ぶかはケースバイケース
鳥を診られる動物病院が近くにない場合、時間がかかっても専門病院まで連れていくべきなのでしょうか。この問いへの答えはケースバイケースです。健康診断であれば連れていくと安心です。しかし、ヒナや体調の悪い個体の場合、長時間の移動がかえって負担になる場合もあります。事前に専門病院へ事情を説明し、連れていくべきか相談すると安心です。